機械学習とは

人間の脳の働き

私たちは普段さまざまなものを目で見て認識しています。

たとえば鉛筆一本認識するのに、いちいち細長い木で中心には黒い芯が埋め込まれており…などと確認してからはじめて「鉛筆だ!」と理解する人はいないでしょう。

ある程度の経験を積んだ人間であれば、子供であっても、鉛筆はすぐに鉛筆であると判断することができるのです。

現代は、コンピュータを使って複雑な計算や、膨大な情報処理をすることができますが、そのコンピュータであっても、人間のように瞬時に物体を認識することができるものはそう多くはありません(実際には、いくつかのものに対して瞬時の認識ができるコンピュータも現れてきてはいますが…)。

 

 

機械学習という言葉

人工知能の研究分野でしばしば使われる用語に「機械学習」と呼ばれるものがあります。

機械学習、という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

人工知能についての関心が高まり、ニューラルネットワークやディープラーニングといった単語を聞いたことがあるという人ならば、機械学習という言葉も耳にしたことがあるのではないでしょうか。

しかし、IT技術や脳科学などに精通していない一般の人の場合は「機械学習」という言葉の意味はよくわからないという人がほとんどだと思います。私たちは、日常のなかで「機械的な作業をする」といったセリフを使うことがあります。

これは、たとえば何かたくさんのものを分類するときなどに、人間がまるで機械のように、ある特定の条件に沿って、その「もの」を分ける作業をする…といった行動をあらわします。たとえば、たくさんのリンゴが目の前にあった場合、これを300グラム以下のものとそうでないものに分ける、という作業をしたとします。
実際にははかりなどを使って重さを量りながら作業を行うことになりますが、こうした作業は人間における機械的な作業ということができるでしょう。

しかし、これに色やツヤ、形の良さ、キズの有無など、人間の目で見て「おいしそうか、否か」という判断を加えるとなると、これは機械的な作業ではなくなってきます。

 

機械に教える

人工知能の分野における「機械学習」とは、人工知能が自ら学習するという仕組みのことで、あらゆるものをコンピュータが分類したり、認識したりといった作業を機械的に行うことを意味します。人間における「機械的な作業」と少し似ています。

というのも、機械学習の概念には「意味を考えずに、機械的に正解率の高いものを当てはめる」という考え方があるためです。

ただし、人間であればそれまでの経験から簡単に行える作業も、機械に同じ作業を行わせるためには、人間が機械にひとつひとつの正解を教えなければなりません。

たとえば、レストランのメニューを見たときに、そこに表示されている食べ物がカレーか、チャーハンか、ラーメンか?といったことをコンピュータが理解するということです。人間であればおそらく簡単に分類することができるメニューですが、カレーをカレーと認識するためには、実はカレーがカレーであるという色や形を瞬時に理解している必要があります。人間にとってはごく普通の簡単なことであっても、コンピュータにとっては膨大な情報を必要とする難しい作業ということになります。

先ほどのリンゴの分類作業にしても、量りを使って重量別にリンゴを分類した後には、人間はリンゴをパッと目で見て「おいしそうか、否か」の判断をすることができますが、機械の場合は、色が青かったら×、赤かったら○…という具合に、ひとつひとつ「おいしそう」の条件付けをしていかなければならないのです。

 

機械学習と直感

近年ディープラーニングという機械学習の研究が進むにつれ、ついに人間の手助けを必要としないコンピュータモデルが生まれようとしています。

それは、まさに人間の脳の働きを真似たモデルで、これまでは人間にしかないと考えられてきた「直感」を、コンピュータにも持たせようという考え方によって成り立っています。

人間の手助けを必要としないのに、人間のような直感を持っているというと、なんだか不思議な感じがしますが、このモデルが完成すれば不確定要素の大きなさまざまな物体を人工知能自らが認識したり予測したりといったことが可能になるといいます。